日本百観音を構成する秩父三十四箇所。
秩父札所全部を一巡すると総距離約100キロにもなり、車を使っても2-3日。
徒歩では約一週間はかかる大行程となる。
しかし、秩父の豊かな自然に触れながら江戸時代以前より続く札所を巡ることで日頃の喧騒を忘れ心が癒される旅になるはず。
そこで今回は秩父三十四箇所巡りをする上で効率的な回り方や札所のみどころについてご紹介。
秩父三十四箇所巡り!徒歩や車で効率的に回るための地図と札所一覧の見どころガイドマップ

日本百観音を構成する秩父三十四箇所。その名の通り、埼玉県秩父市全域に渡り各札所がある。
そのため、まずは秩父市を目指すことが第一歩だ。
秩父市は埼玉県の南西、山梨県の県境あたりに位置する。
三十四箇所以外にも秩父神社、三峯神社など神社・仏閣好きにはオススメしたい。
他にも温泉、芝桜が見られる羊山公園、ライン下りなど観光スポットは沢山ある。
農園も多くあり、場所によりイチゴ狩りやブドウ狩りも楽しめる。
わらじカツ丼や、蕎麦も非常に美味しいので三十四箇所を巡りながら是非堪能していただきたい。
ちなみに筆者は相方と蕎麦、鰻、わらじカツ、豚丼と食べ歩いた。全て美味しかったので、秩父は食事にも期待できる。
秩父三十四箇所は西国や坂東とは違い、県をまたがずに秩父市内だけで完結しているので、とても廻りやすい。
まわる順序に決まりはなく、どこからでも都合のよいように打って行けば何日かで三十四ヵ所を満願することが出来る。
乗用車だと二〜三日、徒歩だと約六日で回ることが可能だ。
秩父札所には大きな寺や大伽藍はなく、小さな観音堂が多い。中には民家そのままに本尊をお祀りするなど
素朴なたたずまいが秩父霊場の良き特徴となっている。
巡礼の手段は?
秩父への行き方
・電車の場合
無難に秩父鉄道の秩父駅を目指そう。西武秩父駅や御花畑駅なんてのもあるが、まずは秩父駅がベストだ。やはり観光地として整備されているし、レンタカーもレンタサイクルも整っている。近隣にホテルもあるので文句なしだ。秩父駅の周辺には食事も温泉も土産物屋もしっかり揃ってるぞ。土産物屋も秩父ならではの物ばかりなので、秩父土産を買うには打って付けだ。
ちなみに東京駅からだと埼玉県熊谷駅まで新幹線を使えば40分程度。熊谷駅から秩父鉄道に乗り換えて1時間20分。なので合計2時間程度の電車移動となる。
新幹線を使わなくとも熊谷駅まで1時間10分程度なので、特に急ぎで無ければ普通列車でも問題ない。
・車の場合
高速道路で皆野長瀞IC、もしくは皆野大塚ICで降りて秩父方面へ。
飯能方面から下道で行くルートもあるが、結構な山道なので十分注意しよう。正直山道を行くくらいなら関越道から上記ICで降りた方が安心だと思う。
皆野寄居有料道路の料金は普通車450円、中型は530円。
新見沼大橋有料道路は普通車150円。
秩父へ入る方向によりこれらの有料道路を通過する場合もあるので参考にして欲しい。
秩父市内は道路もそんなに狭くないので走りやすい。しかし、霊場へは少し外れた道を行かなくてはならない時もあるし、細くなったり対向車が見にくい道も存在する。
あまり大きな車で行かず、せめてミニバンくらいにしておいたほうが無難だ。
札所めぐりは、1度で三十四ヶ所すべてをまわる必要はなく、順番にこだわる必要もないため自分のペースで行って問題なし。
もちろん、バスやタクシーを利用してもいい。
秩父三十四箇所巡礼の所要時間
徒歩:一週間
自転車:4-5日
車:2-3日
秩父三十四箇所の距離
秩父札所をすべてまわる場合、約100キロの行程になる。
西国や坂東の様に他県にまたがるものではないが、後半の札所は山深いところにあるので、無理をせず自分に合った手段を選ぼう。
秩父三十四箇所を徒歩でまわる
徒歩の場合、成人男性で5〜6日ほど。一週間はかかると見た方が良い。
秩父三十四箇所を回る方法としては1番時間がかかる方法だ。体力はもちろんのこと、宿泊費や食事など費用面も馬鹿にならない。しかしながら巡礼の醍醐味は徒歩という声も少なくない。実際に秩父巡礼ルートには徒歩ルートの看板も設置されている。車でも看板は発見できるが、やはり徒歩での巡礼は一味違う。体力に自信があれば是非チャレンジしてほしい。
秩父三十四箇所を自転車でまわる
秩父市内にはレンタサイクルのステーションがいくつかある。1番から30番までは秩父市内なので回りやすいが31,32、34番は秩父山中にあるのでロードバイクかマウンテンバイクでもない限り厳しい。
4〜5日はかかる。
徒歩より時間はかからないと思うが、普段からロードバイクなどに乗っているような人でないと正直厳しいところだ。それなら徒歩での巡礼をして、体力や都合によりタクシーやバスを使うほうが身動きは取りやすい。
しかし、秩父の山中を自転車で爽快に走ると気持ちがよさそうだ。
秩父三十四箇所を車でまわる場合と駐車場について
いちばん無難で確実な手段。マイカーなら2、3日で全札所をまわることが出来る。
また、秩父札所にはすべて無料駐車場があるので参拝しやすい。
車でまわる場合の注意点
第9番の明星山 明智寺は敷地内に車を入れて停める事になる。(お寺の方に確認済)敷地はそこまで広くないので、何台も停めることはできない。
第21番の要光山 観音寺は駐車場が少し狭い。交通量もそれなりにあるため停める時に頭から入れない方が出やすい。
駐車場が少し離れた場所にある事もあるので、詳細は各札所のページへ。
山中を登ることになるので、狭い道や急な坂道も通る場合がある。冬季は雪も降るのでスタッドレスを着用して行った方が間違いない。
徒歩でも自転車でも車でも共通しているが、GoogleMAPが結構使いやすい。
札所には近隣の札所までの方向や距離のある看板が設置されているが、徒歩でしか通れない道を指し示している場合もある。GoogleMAPで予めルートを組んでおくとかなり回りやすい。
秩父巡礼におすすめ移動コース
1番からスタートし、2→3→4→5→10→6→7→8→9→11
その後彩甲斐街道沿いに18→12→26→27→28→29と回るとなるべく左手に札所が出てくるように回ることが出来る。
札所は夕方までの営業時間なので夜に行くような人はいないと思うが、夜間に回る事はオススメしない。街灯も少なくかなり危険だし迷惑になるので絶対にしないように。
秩父三十四箇所を効率的にまわるための地図

秩父市内と言っても範囲はそれなりに広いので近隣ごとにマップにまとめたので活用していただければ嬉しい。
秩父三十四箇所の地図その1 第一番~第十一番
秩父三十四箇所の地図 第一番~第十一番(Google Map)
秩父市郊外東部からスタートするのが秩父三十四箇所。田園風景の中で山道を歩きながら武甲山を眺めることが出来る。車の往来はそれほど多くないため、のんびりと歩きながら札所めぐりをしていこう。
秩父三十四箇所の地図その2 第十二番~第二十二番
秩父三十四箇所の地図 第十二番~第十三番(Google Map)
12番(野坂寺)から19番(龍石寺)までは秩父市街。
秩父駅から近いので最初のルートをこちらに設定しても効率的。
周辺には秩父神社や今宮神社などもある他、歴史を感じさせる町並みも多いため歩いているだけでも楽しい。
そして20番岩之上堂から22番童子堂までは再び郊外に入る。
秩父三十四箇所の地図その3 第二十三番~第三十四番
秩父三十四箇所の地図 第二十三番~第三十四番(Google Map)
終盤の秩父札所からは札所間の距離が長く峠を越えることも多い。札所自体も山門から険しく長い階段を上ったり、奥の院までさらに険しい山道が続く札所もあるなど、一気に難易度が跳ね上がる。
だが、山登りと同じで道のりが険しいほど達成の喜びは大きなものになる。
巡礼に必要なもの

特に必要なものはない。よほど汚い格好でもない限りは普段着のままで問題なし。
いちおう以下のアイテムが正式な持ち物となっているが無くても問題なし。
巡礼用品は1番四萬部寺、3番慈眼寺、8番神門寺の納経所で販売している。
とりあえず1番札所でひととおり購入可能なので手ぶらでも問題なし。
金剛杖 (1500円~2000円程度)
杖は弘法大師の分身とされている杖。
納札 (200枚100円程度)
願い事などを記入して、札所で観音堂に納める紙の札。
御朱印帳( 納経帳 )
御朱印を押してもらうための綴り本。安いものだと1500円程度から買える。なお、一般のノートやスタンプ帳では受け付けてもらえないのであしからず。
なお、秩父三十四箇所では、御朱印帳への書き入れ朱印料は札所ごとに一律で300円となっている。
納経はほかに、笈摺(おいずる)とよばれる半袖の白衣や掛け軸にも書いてもらえる。
その場合、書き入れ朱印は札所ごとに各500円となる。
なお、すべての札所をめぐってご朱印をいただくと、その巡礼自身の来世への旅路を導くといわれる。
白衣
札所めぐりの正装。上着2500円・笈摺2000円程度
輪袈裟
僧侶が着用する袈裟を簡略化したもの。1500円程度。
経本
各札所で参拝の時に読み上げる。般若心経や各札所のご詠歌などが書かれている。 500円程度
山谷袋
巡礼用品を入れるバッグ。1000円程度
持鈴
道中の魔よけと供養を兼ねた鈴。1000円程度
菅笠
日よけと雨傘代わりに使うもの。1500円程度
数珠
数珠は宗派によって形や持ち方も異なるが、観音霊場では特にこれという決まりはないので自分好みの数珠で問題なし。
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線香・ろうそく
各札所では参拝の折に線香とお灯明をあげるが、
そのつど札所で買っても問題ないかと。
巡礼のやり方,各寺での参拝方法

「必ずこの通りにしなければならない」という絶対のルールはない。が、以下の手順が参拝する際の正式なやり方となっている。
1 門前、山門、退出時に一礼
寺に入る前に、山門(仁王門)で一度おじぎをしてから境内に入る。
寺を退出する際にも一礼。
2 手水場でお清め
手水場に立ち寄り、ひしゃくで手や口をすすいでお清めをする。ない場合や禁止されている場合は省略。
3 鐘を撞く
鐘を撞いてもよいという寺院のみ。
4 観音堂へ参拝(納札・灯明・線香)
納め札を納札箱に納める。
灯明台や線香立があれば、ろうそくや線香をあげ合掌する。
5 観音堂で読経
経本を見ながらお経を音読。
1 開経偈(かいきょうげ)
2 般若心経
3 延命十句観音経
4 各札所ごとのご本尊真言
5 各札所ごとのご詠歌
6 回向文
を順に声に出して詠んでいく。
が、正直やってる人を見たことがないし個人的にはカジュアルに参拝しても良いと思っているので読経はしなくていいと思う
6 その他の境内の諸堂へ参拝
境内に不動堂や地蔵堂がある場合はそちらへも参拝。読経は省略していい。
7 納経所へでご朱印を書いていただく。
お寺の拝観料はいくら?

秩父三十四箇所では拝観料が必要な札所は存在しない。
そのため、見学するだけなら無料で出来る。
だが、お寺の維持管理には金がかかるので参拝記念もかねて御朱印を書いてもらいお布施するのが良いかと。
御朱印をいただくにあたって
秩父三十四箇所では取り決めにより料金は一律同じとなっている。
御朱印(書き入れ)300円、掛け軸500円、笈摺500円。御朱印のみの場合は200円となっている。
御朱印の受け付け時間は各寺とも
3月~10月は8時~17時、1月~2月は8時~16時
(いずれも昼休憩の12時~12時30分を除く)。
秩父三十四箇所の御朱印帳

秩父三十四箇所専用の御朱印帳というものは無いのでお気に入りの御朱印帳で問題ないが、第一番札所の四萬部寺で買い揃えると効率的だ。
また秩父の各札所では御朱印帳(¥1500程度)や各種御守りなどを取り揃えているところも多い。
納経所について
秩父三十四箇所は活発な地域なので特に迷うことなく御朱印を書いていただけるが、一部は住職が居ない(無住)寺もあるので注意。その場合は別のお寺で代わりに記入してもらうことになる。
秩父札所で納経所のない札所一覧
第二番 真福寺(光明寺で記入)
第五番 御歌堂(長興寺で記入)
上記2つは無住なので御朱印は括弧内の寺へ。
下記は時期によって注意が必要。
第二十八番 橋立堂
納経所は4月1日~11月末日のみ。
12月1日~3月末日まで札所27番大渕寺が代行している。
第三十四番 水潜寺
冬期で閉まっている場合があるので、その際は大通院へ。
秩父三十四箇所の札所一覧と見どころ

第一番 誦経山 四萬部寺

ここには寺名の由来となった四万部の経典を納めた経塚がある他、周囲には歴史を感じさせる
趣き深い旅館があったりで情緒を味わえる。
誦経山 四萬部寺(ずきょうさん しまぶじ)
住所:秩父市栃谷418
個別記事「秩父三十四箇所の第1番札所 誦経山 四萬部寺の御朱印,みどころは県文化財指定の本堂」
第二番 大棚山 真福寺

寺の南側の谷には天然記念物の岩棚の金木犀があったり、たんぽぽやスミレなどが咲き乱れていたりでとても美しい。無住なので御朱印は光明寺で頂こう。
大棚山 真福寺 (おおたなさん しんぷくじ)
住所:秩父市山田3095
個別記事「秩父三十四箇所の第2番札所 大棚山 真福寺の御朱印,みどころは観音堂の龍の彫刻」
第三番 岩本山 常泉寺

これは「かご彫り」と呼ばれるもので全国的にも珍しいもの。
岩本山 常泉寺(いわもとさん じょうせんじ)
住所:秩父市山田1392
個別記事「秩父三十四箇所の第3番札所 岩本山 常泉寺の御朱印,みどころは観音堂の龍の彫刻」
第四番 高谷山 金昌寺

1300体の石仏が至る所に並んでいるが江戸時代には3000体以上あったのだとか。
高谷山 金昌寺(こうこうさん きんしょうじ)
住所:秩父市山田1815-2
個別記事「秩父三十四箇所の第4番札所 高谷山 金昌寺の御朱印,みどころは仁王門の大わらじと1300体の石仏群」
第五番 小川山 語歌堂

ここの本尊である准邸観音は密教の女性尊であり、准邸観音を本尊とするのは珍しく日本百観音では他に西国11番のみ。無住なので御朱印は長興寺(個別記事参照)でいただこう。
小川山 語歌堂(おがわさん ごかどう)
住所:秩父郡横瀬町横瀬6086
個別記事「秩父三十四箇所の第5番札所 小川山 語歌堂の御朱印,みどころは准胝観世音菩薩が祀られた観音堂。無住なので御朱印は長興寺へ」
第六番 向陽山 卜雲寺

卜雲寺は武甲山とも関わりの深い寺だが、その武甲山といえばセメント会社による環境破壊が有名。
石灰石採掘によって削られた姿が痛々しいが、なんと現在でもダイナマイトによる発破が続けられているという。
冒険の合間に環境問題を知ることになるとは思わなかった。
なお参道には「ねがい地蔵」が置かれており入試合格や大願成就を願う人たちが訪れるという。
向陽山 卜雲寺(こうようざん ぼくうんじ)
住所:秩父郡横瀬町横瀬1430
個別記事「秩父三十四箇所の第6番札所 向陽山卜雲寺の御朱印,武甲山が一望できるのがみどころ」
第七番 青苔山 法長寺

左右非対称で花頭窓も多くの寺院とは違う独特の意匠になっている。
堂内には四国八十八箇所志度寺縁起の彫刻があるが、これは平賀源内が志度寺周辺の出身地であることから。
青苔山 法長寺(せいたいざん ほうちょうじ)
住所:秩父郡横瀬町1508
個別記事「秩父三十四箇所の第7番札所 青苔山 法長寺の御朱印,みどころは平賀源内が設計した本堂」
第八番 清泰山 西善寺

庭園全体が苔の緑で覆われており神秘的な雰囲気に満ち溢れている。
秩父札所の中でも屈指の異世界感がある。
清泰山 西善寺(せいたいざん さいぜんじ)
住所:秩父郡横瀬町横瀬598
個別記事「秩父三十四箇所の第8番札所 清泰山 西善寺の御朱印,みどころは苔に包まれたコミネカエデ」
第九番 明星山 明智寺

駐車場もないが管理者の方いわく、そのまま車で入っても大丈夫とのこと。
歴史は古いが明治時代に落雷で消失,その後は仮堂のまま100年後の平成2年にようやく再建された。
明星山 明智寺( みょうじょうざん あけちでら)
住所:秩父郡横瀬町横瀬2160
個別記事「秩父三十四箇所の第9番札所 明星山 明智寺の御朱印,みどころは六角形の美しい観音堂」
第十番 万松山 大慈寺

一見するとこじんまりとした寺院だが、見どころは仁王門。
仁王門越し本堂が見える構造になっているのが印象的だ。
コンパクトに完成された世界観が秩父札所の面白いところだ。
万松山 大慈寺(ばんしょうざん だいじじ)
住所:秩父郡横瀬町横瀬5151
個別記事「「心が叫びたがってるんだ。」の聖地,秩父三十四箇所の第10番札所,万松山 大慈寺」
第十一番 南石山 常楽寺

御朱印を書いてくれた住職さんが親切で気分が良かった。
この常楽寺は西側の斜面に建てられているため、朝日は差さないが夕日に照らされる構造になっている。
夕焼け頃に訪れてみたい場所だ。
南石山 常楽寺(なんせきざん じょうらくじ)
住所:秩父市熊木町43-28
個別記事「秩父三十四箇所の第11番札所 南石山 常楽寺の御朱印,みどころは行基作の十一面観世音菩薩」
第十二番 仏道山 野坂寺

仏道山 野坂寺(ぶつどうざん のさかじ)
住所:秩父市野坂町2-12-25
個別記事「秩父三十四箇所の第12番札所 仏道山 野坂寺のみどころは山門内にある無数の仏像」
第十三番 旗下山 慈眼寺

こじんまりとした境内に色褪せた風合いの本堂だが存在感を放つ佇まい。
この雰囲気がとても好き。
旗下山 慈眼寺(きかさん じげんじ)
住所:秩父市東町26-7
個別記事「秩父三十四箇所の第13番札所 旗下山 慈眼寺のみどころは観音堂」
第十四番 長岳山 今宮坊

忘れられた歴史に触れることが出来るというのはとても面白い体験だ。
長岳山 今宮坊(ちょうがくざん いまみやぼう)
住所:秩父市中町25-12
個別記事「秩父三十四箇所の第14番札所 長岳山 今宮坊のみどころは修験道の歴史を残す観音堂」
第十五番 母巣山 少林寺

明治11年の秩父大火事件の後に再建されたということで実にモダンな印象。かつては蔵福寺として秩父神社の境内にあったが神仏分離令で廃寺となったものを小林禅寺と合併し現在地に移った。
ここでも神仏習合の歴史に触れることが出来る。
母巣山 少林寺(ははそさん しょうりんじ)
住所:秩父市番場町7-9
個別記事「秩父三十四箇所の第15番札所 母素山 少林寺のみどころは洋風式の本堂」
第十六番 無量山 西光寺

その脇には四国八十八箇所の本尊を写した回廊堂が置かれている。
これは天明三年の浅間山大噴火により命を失った人々を弔うために造営されたもので、この回廊を廻ることで八十八箇所巡礼と同じ功徳が得られるという。
無量山 西光寺(むりょうさん さいこうじ)
住所:秩父市中村町4-8-21
個別記事「秩父三十四箇所の第16番札所 無量山 西光寺のみどころは四国八十八ヶ所の諸仏を安置する回廊堂」
第十七番 実正山 定林寺

ここの梵鐘は日本百観音の本尊を浮き彫りにした珍しいもので宝暦三年に鋳造されたもの。
よく見ると本尊だけでなく御詠歌も刻まれている。
実正山 定林寺(じっしょうさん じょうりんじ)
住所:秩父市桜木町21-3
個別記事「秩父三十四箇所の第17番札所 実正山 定林寺のみどころは百観音の梵鐘」
第十八番 白道山 神門寺

観音堂は秩父の名匠によるもので天保年間に再建されたもので屋根の張り出しが異様に大きくコンパクトだが重厚な印象を受ける。
寄贈された回廊内の仏像も見ごたえがある。
白道山 神門寺(はくどうざん ごうどじ)
住所:秩父市下宮地町5-15
個別記事「秩父三十四箇所の第18番札所 白道山 神門寺のみどころは秩父の名工による観音堂」
第十九番 飛淵山 龍石寺

なお、この寺は巨大な一枚岩の上に建てられており境内の至る所に岩盤が剥き出しになっているが荒々しい印象はない。
飛淵山 龍石寺(ひえんざん りゅうせきじ)
住所:秩父市大畑町15-31
個別記事「19歳と33歳女性の厄除け寺,秩父三十四箇所第19番札所 飛淵山 龍石寺。」
第二十番 法王山 岩之上堂

境内は緑に溢れ四季の花々が彩っている。
本堂背後の熊野権現社は熊野系の修験者によって開かれたもので深い歴史を感じさせる。
法王山 岩之上堂(ほうおうざん いわのうえどう)
住所:秩父市寺尾2169
個別記事「秩父三十四箇所の第20番札所 法王山 岩之上堂のみどころは緑に囲まれた観音堂」
第二十一番 要光山 観音寺

無料駐車場はあるが,対向車が見づらいので車を出しづらい。出入り注意。
要光山 観音寺(ようこうざん かんのんじ)
住所:秩父市寺尾2354
個別記事「平将門が戦勝祈願をした秩父三十四箇所の第21番札所 要光山 観音寺」
第二十二番 華台山 童子堂

この仁王像は童子仁王像とも呼ばれ大きく目を見開き童子のような表情や体型をしている。
華台山 童子堂(かだいさん どうじどう)
住所:秩父市寺尾3600
個別記事「秩父三十四箇所の第22番札所 華台山 童子堂みどころは癖の強い仁王像」
第二十三番 松風山 音楽寺

また観音堂を抜けた先には十三塚という十三体の地蔵尊が並んでいる。
これは秩父札所の開創に関わったという十三権者を模したもの。
松風山 音楽寺(しょうふうざん おんがくじ)
住所:秩父市寺尾3773
個別記事「ミュージシャンがヒット祈願に訪れる秩父三十四箇所の第23番 松風山 音楽寺」
第二十四番 光智山 法泉寺

観音堂のつくりが特徴的で左右の窓部分に仁王像が置かれており正面すぐに観音様が置かれている。仁王門と観音堂が一緒になった珍しい形式。
光智山 法泉寺(こうちざん ほうせんじ)
住所:秩父市別所1586
個別記事「秩父三十四箇所第24番札所 光智山 法泉寺は観音堂と山門が一体になっているのが特徴」
第二十五番 岩谷山 久昌寺

そして観音堂の横にとある仏像が置かれていたが、ちょっとしたホラーだった。
岩谷山 久昌寺(いわやさん きゅうしょうじ)
住所:秩父市久那2315
個別記事「秩父三十四箇所第25番札所 岩谷山 久晶寺,御朱印だけでなく御手判も忘れずに貰おう」
第二十六番 万松山 円融寺

進むと奥之院があり,そこが真の見どころだったりするが現在工事中。
万松山 円融寺( ばんしょうざん えんゆうじ)
住所:秩父市下影森348
個別記事「秩父三十四箇所第26番札所 万松山 円融寺のみどころは懸崖造の岩井堂」
第二十七番 竜河山 大淵寺

参拝しながら,Skyrimに登場するアズラの祠を思い出してしまった。
オープンワールド感あリまっせ。
竜河山 大淵寺(りゅうがさん だいえんじ)
住所:秩父市上影森411
個別記事「秩父三十四箇所の第27番札所 龍河山 大淵寺のみどころは巨大な護国観音」
第二十八番 石龍山 橋立堂

また奥之院をかねた鍾乳洞は12万年前に出来たものとされ、古代人の住居跡とも言われる岩かげ遺跡。
これぞ冒険だ。日本でも胸躍る冒険は出来るんだ,ってことを秩父は教えてくれる。
石龍山 橋立堂( せきりゅうざん はしだてどう )
住所:秩父市上影森675
個別記事「秩父三十四箇所の第28番札所 石龍山 橋立堂のみどころは鎌倉時代作の馬頭観世音」
第二十九番 笹戸山 長泉院

ここから先の札所はハードな場所ばかりなので,ここの美しい庭園を見ながら
次の冒険に進もう。
笹戸山 長泉院( ささどさん ちょうせんいん )
住所:秩父市荒川上田野557
個別記事「秩父三十四箇所の第29番札所 笹戸山 長泉院のみどころは四季の花が彩る境内」
第三十番 瑞龍山 法雲寺

決して気軽に参拝できる場所にはないが秩父札所の中でも最古級の観音堂は外せない。
寺宝に楊貴妃の鏡や天狗の爪や竜の骨などが展示されており冒険を彩るアイテムにも溢れている。
瑞龍山 法雲寺( ずいりゅうさん ほううんじ )
住所:秩父市荒川白久432
個別記事「秩父三十四箇所第30番札所 瑞龍山 法雲寺のみどころは花と緑に包まれた境内」
第三十一番 鷲窟山 観音院

日本最大級,石造りの仁王像をくぐり抜け,ひたすら296段の厄除けの石段を登っていく。
険しい道のりだが、きちんと整備されているので危険な訳ではない。
石仏や石碑が点在する参道を登っていくと,頂上には滝を背にする観音堂と弘法大師が一夜で彫ったという
鷲窟磨崖仏(しゅうくつまがいぶつ)を拝むことができる。
大冒険の舞台にふさわしい霊場だ。
鷲窟山 観音院 ( しゅうくつざん かんのんいん )
住所:秩父郡小鹿野町飯田2211
個別記事「秩父三十四箇所第31番札所 鷲窟山 観音院のみどころは弘法大師が一夜で彫った爪彫りの磨崖仏」
第三十二番 般若山 法性寺

趣きをとどめている。観音堂から500mほど登った先に巨大な砂岩や石仏が横たわる
岸壁がある。ここを登りつめた先に岩船とよばれる大岩があるが、その岩船全体が奥之院となっている。
般若山 法性寺 ( はんにゃさん ほうしょうじ )
住所:小鹿野町般若2661
個別記事「秩父三十四箇所第32番札所 般若山 宝性寺のみどころは秩父札所唯一の鐘楼門と奥の院」
第三十三番 延命山 菊水寺

秩父山中から降りて街中にあるけども駅から近い訳ではないが、ここまで来れば残り一箇所。
一息ついて最後の札所へと向かおう。
延命山 菊水寺 ( えんめいさん きくすいじ )
住所:秩父市下吉田1104
個別記事「秩父三十四箇所第33番札所 延命山 菊水寺のみどころは土間づくりの観音堂
第三十四番 日沢山 水潜寺

参道には三十三観音の石仏が立ち並び巡礼者を出迎えてくれる。
三十四箇所すべての御朱印を集めた納経帳(御朱印帳)を見せることで,達成の証である「結願証」を授与してくれるなど大冒険の最後を締めくくるに相応しい霊場となっている。
日沢山 水潜寺( にったくさん すいせんじ )
住所:秩父郡皆野町日野沢3522
個別記事「秩父三十四箇所,そして日本百観音の結願寺!!第34番札所 日沢山 水潜寺は秩父最大のパワースポット」
他の観音霊場