秩父三十四箇所の第18番札所 神門寺のみどころは名工による観音堂

秩父三十四箇所の第18番札所 白道山 神門寺(ごうどじ)。みどころは観音堂にある回廊だ。そこには大日如来、千手観音、大日如来、薬師如来、虚空蔵菩薩、殊菩薩、虚空蔵菩薩など多くの仏像が安置されている。
薄暗い回廊の中で、灯明に照らされて浮かび上がる仏像の姿は、非常に神秘的である。

秩父三十四箇所の第18番札所 白道山 神門寺のみどころは秩父の名工による観音堂

神門寺は、第18番札所の寺院である。
山号は、白道山(はくどうさん)だ。
埼玉県秩父市の彩甲斐街道(国道140号線)沿いに建っている。
御詠歌は、「ただたのめ 六則ともに 大悲をば 神門にたちて たすけたまへる」だ。
宗派は曹洞宗で、ご本尊は聖観音である。

白道山 神門寺へのアクセス

住所:埼玉県秩父市下宮地町5-15
最寄駅:秩父鉄道大野原駅
徒歩:駅からは徒歩で15分程度でたどり着く。
ただ、西武秩父駅から出ているバスに乗り、相生町で下車すれば徒歩10分で行ける。

車でアクセスする場合は、国道140号線に面した駐車場が利用できる。
国道140号線からは、車で直接神門寺の駐車場へ入ることも可能だ。
ただ、交通量の多い通りであるため、できれば国道140号線から、一旦細い道に回り、南側の正面から入ったほうが良い。

前の札所「定林寺」 || 次の札所「龍石寺

白道山 神門寺のみどころ

神門寺の入口には、山門がない。
低い塀で仕切られているだけだ。
境内は比較的こぢんまりとしている。

観音堂

正面には「観音堂」、右手には「不動堂」、左手には「蓮休憩所」や「納経所」と、多くの堂宇が建てられており、見どころが多い。

本尊の聖観世音菩薩は、高さ約1mを超える大きな立像だ。
室町時代に造られたと言われている。
一般的に、聖観世音菩薩は左手に蓮華をもっているが、神門寺の像に関しては、両手に蓮の花を持っているのが特徴だ。

回廊

堂内は撮影禁止。なので直接出向いて拝んでみてほしい。

回廊の中央部に安置されているのは、本尊の聖観世音菩薩につながれたお手綱だ。
本尊の手と結ばれた五色の綱を握ることによって、観音堂ご本尊の聖観世音菩薩とが結縁できると言われている。

蓮華堂

蓮華堂にも、普賢菩薩、釈迦如来、文殊菩薩など多くの仏像が安置されている。

神門寺の境内には、ニコニコ地蔵がおかれている。
ニコニコ地蔵は、平成4年に祀られたものだ。
どっしりとした石造りで、1mほどの大きさがある。
優しくて、穏やかな表情をしており、参拝に訪れた客たちを温かく見守る存在となっている。

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神門寺の歴史

神門寺は、昔は神社であった。
サカキの巨木が門前の左右にあったことから、その当時は「神門」と呼ばれていたようだ。
神門寺は、神門山長生院と呼ばれた時代もあった。
今宮坊に属して、修験の寺として栄えていたようだ。
寛政年間(1789年~1801年)に発生した火災によって、ほとんどの堂宇を焼失してしまう。
天保の頃(1830年~1844年)に、観音堂だけが再建されることとなった。
名匠と呼ばれた藤田家の末孫「藤田若狭」が手掛けたと伝えられている。
しかし、長生院そのものは再建されなかったため、当時の修験僧たちは近くの秩父神社で生活していたようだ。
明治時代になると、神仏分離令によって、長生院はさらなる打撃をうけることとなる。
明治5年(1872年)に発令された修験道禁止令により、長生院は完全に終わりを迎えてしまった。
このような経緯があり、観音堂は曹洞宗の寺院として、存続することになったのである。

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