秩父三十四箇所の第6番札所の卜雲寺(ぼくうんじ)には日本に仏教を広めた人物のひとり行基 菩薩作の 仏像 が安置されている。
麓にはぶどう園があるほか裏山をのぼると日向山(633m)や丸山(960m)を覗くことも出来る。
卜雲寺には寺宝として山姥の歯が納められている。残念ながら秘宝なので拝むことは出来ないが怪奇な伝説に興味のある人は訪れてみるのも良いんじゃないだろうか。また,秩父は修験道による山岳信仰が盛んな地域だった為、この地域にはかつて多くの修験者が住んでいたという。
秩父三十四箇所の第6番札卜雲寺
向陽山 ト雲寺(荻野堂) は埼玉県秩父郡にある曹洞宗の寺。
御詠歌は「初秋に風吹きむすぶ荻の堂、宿仮りの夜の夢ぞさめける」である。
向陽山卜雲寺で得られるもの(ご利益など)
・子育て
・大願成就
・入試合格
秩父三十四箇所 第6番札所卜雲寺へのアクセス
住所:〒368-0072 埼玉県秩父郡横瀬町横瀬1430
最寄駅:西武池袋線横瀬駅
徒歩:約25分
西武秩父駅から松枝行きバス横瀬橋下車で徒歩十分
卜雲寺の御朱印
向陽山卜雲寺のみどころ
寺の名は、開基と言われている嶋田与左衛門の法号が卜雲源心庵主であったことに由来している。
秩父札所が開創した際に、本尊である聖観世音菩薩が武甲山の山頂にある蔵王権現から荻野堂に移されたため、ト雲寺のことを荻野堂とも呼ぶ。
行基作の仏像と山姥の歯
向陽山 ト雲寺(荻野堂)には、荻野堂の縁起が記され、秩父郡横瀬町の町指定文化財にも指定されている「紙本着色荻野堂縁起絵巻」と、秩父地方では唯一となる貴重な「清涼寺式釈迦如来立像」が所蔵されている。
天明元年(1781年)に記された「萩野堂本尊並開基之縁起」によれば、本尊である聖観世音菩薩は行基菩薩の作とされ、もともとは武甲山頂の蔵王権現の社内に安置されていたそうである。
ある時、村人がとが池の大蛇を退散させようと聖観世音菩薩に祈願したところ、その霊験を受け、無事に大蛇が退散したと言う。そこで、とが池を埋め立てて草堂を建てて、武甲山の聖観世音菩薩を移転し、荻野堂として祀られてきたという言い伝えが残されている。
また、向陽山 ト雲寺(荻野堂)には、秘宝とされる山姥の歯も納められている。
武甲山には3mもの身長がある山姥がおり、村人を襲っては食べてしまっていたと言うのだ。
そこで、行基菩薩は村人を守るために、武甲山頂の蔵王権現にこもり、27日間にわたって悪魔降伏の祈願をしたと言う。
山姥はこの祈願によって、悶絶して苦しみ、行基菩薩にひれ伏した。
行基菩薩は殺すことはせず、どこか遠い国へ立ち去るように諭したところ、もう二度と人を襲うことはしないという証として、前歯1本、奥歯2本を折って差し出したと言うのだ。
この山姥の歯を、行基は本尊を刻んで安置したという伝説が残されている。