秩父三十四箇所,第34番札所の日沢山 水潜寺(すいせんじ)。秩父札所の結願寺であると同時に坂東・西国を合わせた日本百観音の結願寺でもある。それだけに最後の難所とも言うべき秩父の山深くに位置しているが,それだけの苦労を背負う価値はある。
なお、水潜寺が開いてない時は大通院(埼玉県秩父郡皆野町下日野沢4059)で納経帳に御朱印をいただくことができる。
秩父三十四箇所の第34番札所 水潜寺は秩父最大のパワースポット
日沢山 水潜寺は曹洞宗の寺で、埼玉県秩父郡皆野町下日野沢3522に位置する。秩父三十四箇所、最後の札所である。本尊は千手観音、一木造りで室町時代の作。
御詠歌は「萬代の願ひをここに納めおく 苔の下より出づる水かな」
秩父第34番札所 水潜寺へのアクセス
住所:〒369-1625 埼玉県秩父郡皆野町下日野沢3522
最寄駅:そんなものはない。
・西武鉄道皆野駅より町営バス日野沢行き,札所前下車
徒歩:約20分
前の札所「菊水寺」
日沢山 水潜寺のみどころ
日沢山 水潜寺の参道
水が透き通っていて綺麗。実際、水潜寺には長命水とよばれる岩屋から湧き出る清水が有名だ。
御詠歌にもあるように、水潜寺にとって水は重要な象徴なのだろう。
クマ注意の看板。出ても不思議じゃないぐらいの山奥なので、特に驚きはしなかった。
日沢山 水潜寺の本堂
日沢山 水潜寺の讃仏堂
日沢山 水潜寺の結願堂
秩父三十四箇所、そして日本百観音をまわり終わった際におとずれる結願堂。
百観音功徳車。まわすと百観音を巡礼したのと同じ功徳が得られるという。
日沢山 水潜寺の仏足堂
日沢山 水潜寺の仏足堂。堂前入り口には写経石が納められており巡礼者に写経をすすめている。
日沢山 水潜寺の 水くぐりの岩屋
境内の奥には水くぐりの岩屋がある。
これはいわゆる「胎内くぐり」のひとつ。34箇所巡礼を終えた者がここで再生儀礼を行うことで心身ともに清浄になって俗世に帰ることが出来る。
世界中の神話に「死と再生」の概念がある。
解釈はそれぞだが、人間には「死と再生」という構造が含まれている。それは生物としての人間だけでなく、存在論としての人間もまた常に死につつ、また同時に再生しながら存在している。
つまり、人間は「死と再生」とを繰り返すことによって人間になっていく、という訳だ。
お遍路などの霊場めぐりというのも、ある種の 「死と再生」 儀礼なのだろうと解釈している。
日沢山 水潜寺の三十三観音石像
三十三体の仏像に見送られながら最後の寺を後にする。
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日沢山 水潜寺の歴史
830年頃,東国で大旱魃が起こった際,一人の僧がこの地を訪れ観音信仰を説いた。
西国札所に阿弥陀如来 、坂東札所に薬師如来、秩父札所に千手観音を託して百観音に祈りを捧げると、たちまち黒雲があらわれて旱魃が治まったという。
この三尊へ祈りを託した場所が水潜寺のはじまりとされている。