社会に衝撃を与えた連続殺人・死体遺棄事件である尼崎事件、その主犯である角田美代子のマンションが現在どうなっているのかを見てきた。
角田美代子のマンションの現在を見てきた
角田美代子の住んでいたマンションは兵庫県尼崎市長洲東通にある。
惨劇の舞台となった角田美代子の部屋は最上階の801号室。事件当時は周囲の目を遮るように一面が木製のフェンスで覆われており、バルコニーには監禁用の小屋もあった。
見るからに異様な外観なのだが近隣住民は不思議に思わなかったのだろうか?
尼崎市は大阪や神戸に近いうえ、相場よりも500万程度安いために購入希望者の問い合わせが多い地域となっているのだが、このマンションで起きた尼崎事件の影響で近隣の不動産価格が更に暴落したのだとか。
事件後には同条件の物件よりも500万ほど安い1480万円にまで下落、最終的には大阪の金融業者が1330万円で落札。
心理的瑕疵としてこれ以上ない程の悪印象を与える事故物件だが、江東区神隠し殺人事件のマンションと同じく条件の良さから現在でも定期的に問い合わせがあるという。
今日の日本においては、心理的瑕疵よりも経済合理性が勝るというのが、数多くの事故物件を訪れて気づいた真実。いかにも現代の日本人らしい選択である。
ルポ
そんなこんなで角田美代子のマンションまでやってきた。尼崎事件の詳細については、あまりにも複雑なため詳細な説明は省くが、角田らの手口はいわば暴力や恐喝を用いたマインドコントロールによる乗っ取りだ。
些細な弱みにつけこんで恫喝・脅迫して家族全体を支配し財産を巻き上げると血縁関係にない者までもを巻き込んだ疑似家族を築くといったもので、角田に取り込まれたことで事件に関与せざるを得なくなった者たちも含めると書類送検者の数は17名にものぼる。
ヤクザやマフィアの事を「一家」や「ファミリー」と形容する事もあるが、まさにそういった意味でのファミリーであっただろう。角田美代子の父親は左官の手配師で、若い労働者たちを暴力でねじ伏せ、日給から4割ほどピンハネするというヤクザ顔負けの人物だったという。
そんな父親から人心掌握術を学んだ角田美代子は後にスナック経営を通じて暴力団とつながり気が大きくなっていたようだ。一説にはこの時に知り合った山口組系暴力団の大幹部であるMという男が人を支配する術を仕込んだとも言われている。
角田と暴力団にどれだけの関係があったのかは不明だが、留置所で角田が自殺してしまった為に真相は闇の中。こうした事情を知ると、いかに家賃が安かろうとこの周辺には絶対に住みたくない。
さて、お次は一部の人たちにのみ好評な風水診断を行ってみよう。
遠景からマンションを眺めると、角田のマンションだけが突出しており、他に高層マンションの姿は見られない。一棟だけ高い建物が建ち近隣には低い建物ばかりという状況は「露足殺(ろそくさつ)」とばれる凶相にも見える。
またマンションを取り囲むように低い建物が隣接している事から、やや「露風殺(ろふうさつ)」気味の地形にもなっている。これも凶相のひとつで、こうした建物に住む人々は人間関係において孤立し、円満な交際が望めなくなり他人を見下しがちになると考えられている。
角田グループはもちろんの事、これよりも巨大なタワマンに住む住民の間では人間関係のトラブルが絶えないという事から、あながち迷信とも言えないのが風水の怖いところだ。
そんな冗談はさておき、この角田美代子のマンションは交通の便が良いこと等から、いまだに問い合わせがある物件になっているが、事件の背景を知るとマンションは良くても地域の治安に一抹の不安が残る。
実際に尼崎の犯罪発生率は兵庫県内50地域中4番目の治安の悪さ、若干は改善傾向にあると言うが、自分だったら別の場所を選ぶだろうな。
・江東マンション神隠し殺人事件現場の現在だけど普通に住みたい件