サムの息子でお馴染みのデビッド・バーコウィッツは1953年、アメリカ・ニューヨーク州出身のシリアルキラーだ。
バーコウィッツは私生児で、すぐに里子として育てられたが、この出生の経緯が彼の強いトラウマとなり、成長するにしたがい、社会から強烈な疎外感を抱くようにようになった。
サムの息子で皆さんご存知!デビッド・バーコウィッツ
バーコウィッツは学校では問題児であり、窃盗や放火を繰り返していた。さらに、養母の病死に伴い養父が再婚したことにより、家庭とも疎遠になっていく。
性格は粗暴なうえ暗く、他者と接することが苦手で、女性と交際したことがまったくない童貞で、
そのため、歳を重ねるにつれ、自分を相手にしない女性への憎悪を蓄積していった。
アメリカ軍を除隊後は郵便局員として働いていたバーコウィッツだったが、ある日、「サム」と名乗る自分に話しかける声を聞く。
それは悪魔でもあり、彼の父親でもあるような存在だった。
これは分裂症による症状だったが、本当の父親を知らないバーコウィッツは、ついに自分の父親と出会えたと喜んだ。
そしてサムはバーコウィッツに殺人を命令するのだった。
バーコウィッツは彼を蔑んだ若い女を殺すことを決意し、夜な夜な車で街を徘徊しては、目をつけた女性にそっと近づき、あるいは道を訊ねるフリをして、車に近づき射殺した。
こうしてバーコウィッツは1976年から1977年の一年間に、6人に重傷を負わせた。うち5人は女性だったが、カップルも狙っていたため男性1人も銃撃された。
そしてバーコウィッツには自分を除け者にした社会から注目を浴びたいという欲望があった。
警察やマスコミへ「サムの息子」を名乗り犯行声明文や挑戦状を郵送した。
自分の頭の中で命令する父親サム、その命令にしたがって殺人をしている自分は一般人とは違う、というのが、犯行声明文でのバーコウィッツの主張であった。
バーコウィッツは瞬く間にニューヨークの市民を恐怖に陥れたが、警察の包囲網によりあっさり逮捕される。
逮捕されたバーコウィッツは精神鑑定を受けたが、責任能力ありとされ365年の懲役を言い渡され現在も模範囚として服役している。