篠栗男児餓死事件で碇利恵らが住んでいたマンションを見てきた。ママ友グループでの交流がきっかけでマインドコントロールの影響下に置かれ資産を搾取された挙げ句、当時五歳の男児を餓死させてしまった狂気的な事件である。
篠栗男児餓死事件で碇利恵が住んでいたマンションを見てきた
篠栗男児餓死事件のマンションは福岡県糟屋郡篠栗町の尾仲にある。大通りにある道路に面しているのですぐに見つかるだろう。
事件の始まりはこうだ。2016年、一軒家に住んでいた主婦の碇利恵は子供が通う幼稚園で赤堀恵美子と知り合いママ友になるのだが、この赤堀という人物は異常なメンタルの持ち主だった。
同じ幼稚園に通うママ友グループ内では虚言癖のクレーマーとして有名で年上である事を理由に学校の雑務を押し付けたり、横柄な態度を周囲に取っていたため非常に評判が悪く敬遠されていたのだが、知り合いの少なかった碇は数少ないママ友に従うしかなかった。人間関係の希薄さに付け込んだ赤堀は「他のママ友が悪口を言っている」「あなたの夫は浮気している」などと吹き込んで周囲から孤立させマインドコントロールを行ったのだった。
そして旦那と離婚した後、篠栗町にあるアパートへ転居させ生活保護と児童扶養手当を受給させ、「浮気調査費用」「裁判費用」と称して金銭を騙し取り「元夫との裁判で勝つためには質素な暮らしをしないといけない」として子供たちに過度な食事制限を指示。
次々と架空のトラブルをでっち上げては金銭を詐取しては1,000万円以上を奪い取ったのだった。
その後も家賃滞納などで家を追い出されるものの赤堀によるマインドコントロールが続き、三男が餓死した後も詐取を続けていたのだった。
ルポ
こちらが篠栗男児餓死事件で碇利恵が住んでいたマンション。607号線沿いに面した築37年の7階建てマンションだ。
碇利が住んでいた自室には監視カメラが設置されており、赤堀は「(二人の)共通の知人が見張っている」と嘘を言い、信じ込ませ、共通の友人への暴力団関与を装っていた他、碇利が指示を守らなかった場合は屋外に長時間立たせたり、睡眠を取らせない、といった典型的なマインドコントロールの手法を使い操っていたのだった。
この事件、何かに似ていると思えば2019年に起きた「太宰府主婦暴行死事件」に酷似している。奇しくも同じ福岡県で一介の主婦がマインドコントロール状態に置かれ金銭を詐取され続ける点でも似ている。
どの事件も被害者が専業主婦であるという点が共通しているが、これは重要な視点だろう。赤堀は創価学会の信者でもあり、碇利を入信させることで信者としての上下関係を加えることで更にマインドコントロールの効果を強めたのだが、創価学会しかり新興宗教へ最初に入信するのは大概が女性、それも専業主婦が殆どだという事はあまり知られていない。
それも専業主婦が殆どだ。特に創価学会が信者数を増やしたのは高度経済成長期に広がった転勤族、それに伴う核家族化した家庭の専業主婦達が多数入信した。
核家族化で孤立した専業主婦達の互助会的な繋がりから信頼を集め、宗教団体へ入信。やがて家族全員も入信してしまう、というのが定番のパターン。
特に現代では昔以上に、人との繋がりが希薄化している。地域社会は勿論、親兄弟とすらも疎遠となっているものは珍しくない、こうした状態で専業主婦として家庭に篭りきりとなり、交流するのがママ友だけで、本音で話せる友人が居ない、という孤立した状況は、赤堀や太宰府事件の山本の様なサイコパスにとって格好の餌食になりやすいのだろう。
特に西日本では今だ「女は結婚したら専業主婦になるもの」という考えが根強い。
ニッセイ基礎研究所の生活研究部 人口動態シニアリサーチャー 天野 馨南子氏によると、以下の調査結果が報告されている。
四捨五入して4割の男女が「夫は仕事、妻は家庭であるべき」と考えている「女性が家庭に入ることが理想(男性が1馬力で頑張る家庭が理想)」エリアは福岡県、山口県、宮城県、奈良県、長崎県が5強ということになる。
「夫は仕事、妻は家庭」エリア支持率 47都道府県価値観ランキング(2)-未婚社会データ検証「ふたりの居場所はどこにある?」
こちらの記事によると、古典的な専業主婦家庭を望む割合が高いのは西日本で、そのなかでの第一位が福岡県となっているほか、九州は特に「妻は家庭」と考える人々の割合が強いエリアとなっている。
専業主婦を望む女性は西日本の九州エリアの男性と結婚すれば良いということになるが、下手をするとサイコパスや宗教団体に狙われる可能性もある、という事は覚えておいたほうが良いんじゃないだろうか。
・江東マンション神隠し殺人事件現場の現在だけど普通に住みたい件