名古屋妊婦切り裂き事件のアパート周辺を見てきた

名古屋妊婦切り裂き事件の現場アパートが現在どうなっているのかを探るため現場付近を見て回って来たのだ。

名古屋妊婦切り裂き事件のアパート周辺を見てきた

名古屋妊婦切り裂き事件の現場となったのは名古屋市中川区供米田にあるアパートの2階だ。

1988年3月19日朝刊第一社会面31面「臨月の主婦殺される 腹部を切り裂かれ そばに赤ちゃん放置 名古屋・中川区のマンション」によると、現在の住所は名古屋市中川区供米田三丁目となっている。

この事件は1988年3月18日午後に発生した殺人事件だ。

臨月の主婦がアパート内で絞殺されたうえ、福ぶくを切り裂き退治を取り出し、その内部に電話の受話器とミッキーマウスのキーホルダーを詰め込んだという極めて猟奇的な殺人事件で、愛知県警察が約4万人の捜査員を投入したにも関わらず2003年に公訴時効を迎え未解決事件となった。

ルポ:名古屋妊婦切り裂き事件

こちらが名古屋妊婦切り裂き事件の現場となったアパート。

警察庁長官狙撃…他、時効成立で迷宮入りした事件の数々(NEWSポストセブン)より引用

NEWSポストセブンの記事に思いっきり画像が載っていたが、まさにココ。当時から殆ど変わっていない事がわかる。模様がついただけで、窓の位置や屋根のカタチなどは変わっていない。

この供米田(くまいでん)という地域は名古屋市中川区の西部に位置した住宅地。現場からすぐ近くには県道の29号線が通っており、程近い場所には名古屋第二環状自動車道(名二環)も通っているなど、車の往来が激しい場所となっている。

近隣には中学校や公園なども有るため写真よりも人通りがある場所だ。だからこそ、目撃者が殆ど見つからないという状況には違和感を覚える。事件発生から2年となった1990年(平成2年)3月までに捜査員延べ23,500人を投入して以下のように捜査を進めていたが、一向に有力情報を得られることなく市民からも厳しい言葉をぶつけられる程だった。

しかし、1988年の日本というのは猟奇的で異常な時代だったと言わざるを得ない。

同年には宮崎勤による「東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件」と「女子高生コンクリート詰め殺人事件」「名古屋アベック殺人」そしてオウム真理教の過激化といった日本の犯罪史に残る猟奇的で凶悪な殺人事件が連続して発生しているなど、たとえ偶然にしても狂った時代だったと言わざるを得ない。

1988年の日本といえば、バブル景気の加熱による未曾有の好景気。地価や株価などの資産価格が高騰し翌89年の大納会は日経平均株価は3万8915円の史上最高値をつけるなど、現在では信じられないような状況だった。

その一方で、好景気に伴う日本人のモラルの低下(拝金主義)などが評論家らに批判されていたが、センチな文学少年でなくとも当時の日本を評論するのなら厭世的な表現しかできない時代であっただろう。

そんな時代に起きた数々の猟奇殺人事件、これらは偶然の一致なのだろうか

取材協力:蒼崎青太郎

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