歌舞伎町にヤクザマンションとよばれる物件があるのをご存知か。
一見すると、ただの古いマンションにしか見えないが、周囲には異様なものが溢れており,このマンションが尋常ではない事を暗に伝えている。
歌舞伎町ヤクザマンションを見て気付いた異様なこと
相方のひよこ氏と共に,歌舞伎町屈指の自殺の名所として名高い第六トーアビルの取材を終えた後のこと。
「近くにヤクザが多く居住しているマンションがある」という事だったので是非とも行ってみることにした。
場所
住所:東京都新宿区歌舞伎町2丁目
ここが「やばい」と噂のライオンズマンション歌舞伎町だ。
ここがネット上で「やばい」と噂のマンション「ライオンズマンション歌舞伎町」だ。不動産サイトで価格を調べてみると、間取りは1Rで平均賃料が月6.9万円で売買価格は一部屋1,250万円となっている。
新宿歌舞伎町の1Rマンションの平均賃料が12.6万円の半額近くの家賃である事から,相場と比べても破格の安さである事がわかる。
このマンションは不動産関係者の間では有名な場所だったそうだが,フリーライターの鈴木 智彦氏が当時このマンションに事務所を構えていた際にマンションの鉄柵にヤクザが落ちてきて串刺しになった、エピソードから一部で知られるようになった。
また、ネットで検索すると「ライオンズマンション歌舞伎町 1303」とサジェスト表示されるが、これは指定暴力団住吉会の三次団体「加藤連合会」の組事務所の住所。
この団体は2020年6月にスカウト狩りと称し、ホストクラブや風俗店のスカウトらへの暴行事件を起こしたことがある。
参加組織の賢総業・聡仁組の組員らが「メンツを潰された」として大手スカウトグループのナチュラルに対し100人前後の組員を動員して歌舞伎町のスカウトらに対して殴る蹴るの暴行を加えた事件なのだが、この加藤連合会といえば、2003年に傘下の矢野睦会(当時)が群馬県前橋市のスナックで拳銃乱射事件を起こしたことで知られている。
・関連記事「前橋スナック銃乱射事件のスナック跡地の現在」
どうやら想像以上に凶暴な暴力団のようで、こうした団体が大手を振って街を歩いているあたり歌舞伎町はイメージ通りに治安の悪い街なのだな、と改めて思い知らされる。
とは言うものの、この槍玉にあげられているスカウト会社のナチュラルもヤクザを完全に敵にまわしている当たり相当ヤバい会社だという事が想像できる。
このナチュラルというグループはいわゆる「半グレ」で全盛期には800人ものスカウトマンが所属する風俗スカウト会社で界隈からの評判は非常に悪い。
元々は加藤連合会傘下の賢総業をケツ持ちとしていたが別のスカウト会社の風俗スカウトを引き抜いたことが発端でトラブルとなったのだが、この引き抜きにあったスカウト会社が同じく加藤連合会傘下の聡仁組だったため住吉会とナチュラルは対立状態となり前述のスカウト狩り事件が起きた、という訳だ。
スカウト狩り事件では、、住吉会系組員4人と、ナチュラル会長・西田寛昭、幹部・桑村俊和、幹部・小長谷研人ら3人が暴力行為法違反で逮捕。
2021年2月にはスカウトグループ内のルールを破ったメンバーを暴行して制裁を加えたとして幹部・沢田和哉が逮捕されるなど、普通にヤバい会社である。
つまり「ヤクザVS半グレ」という構図な訳だ。
歌舞伎町という街の特殊性もあるのだろうが、こうした構造は社会の迷惑でしかない。しかし、歌舞伎町が歓楽街で有り続ける限りはこうした構造は無くならないのだろう。
歌舞伎町ヤクザマンションのここがヤバい
さて、お次はこのヤクザマンション周辺で見つけた奇妙でヤバいものを紹介していこう。
「謎の注連縄」
近づいてみると,鉄柵に注連縄が巻かれている。看板には「天川講堂社」と書かれている。ドアには会員制と書かれており、表に置かれている看板によるとご祈祷やご祈願をしてくれるそうだ。
神仏両郷と書かれているが,神仏習合系の神社なのだろうか。元からあった神社なのか、他所から移転してきたのかは不明。タウンガイドによると,いちおう神社扱いになっているのだが、わざわざこんな場所でやらんでも。
危険度大のサイン「YKZ]
銃弾対策された喫茶店マリエール
歌舞伎町ヤクザマンションの探索を終えて
これぞ歌舞伎町という物件だった訳だが、実際に歌舞伎町を訪れると半径数百メートル程度の小さな一角に過ぎない。
その小さな一角で,これだけの凶悪事件に関連したスポットが数多く存在しているというのがこの町の特殊性を物語っている。
2004年から2015年にかけて歌舞伎町浄化作戦とよばれる大規模な浄化作戦が石原都政下で行われたが、実際は何も変わっていない。
なぜ歌舞伎町はこれだけ業が深いのか,それを語るにはこの記事では足りないが,ひとつだけ言えるのは歌舞伎町が日本屈指の歓楽街で有り続ける限り,こうした構造は無くならないという事だ。