グノーシス主義の生みの親!シモン・マグス

シモン・マグスはグノーシス主義の開祖ともいわれる聖書に登場する人物。マグスとは魔術師の意味だが、語源的には「偉大なる人物」という意味をも持つ。

グノーシス主義の生みの親!シモン・マグス

シモン・マグス

「使徒行伝」によれば「サマリアの魔術師シモン、それも神の賜物である聖霊を理解できず、聖霊を授ける力を金で買おうとした最初の男」と評される。

そしてイエスの使徒であるペテロの叱責に反抗し、古代キリスト教最大の異端グノーシス派の生みの親になったとされる人物である。

シモン・マグスとは何をした人物か?

・キリスト教の異端「グノーシス派」の源流の一人とされる伝説上の人物
・数あるグノーシス派の中でも最も過激な一派を形成した
・聖職売買(Simony)の語源になった
・魔術師ファウストの原型となった人物

シモン・マグスの人物像

伝説によれば、元々はサマリヤの高名な魔術師として多くの信者がいたが、イエスの使徒フィリポによって洗礼をうけキリスト教に入信。

しかし、ペテロとヨハネが宣教に訪れたときに、彼らの聖霊を授ける力を見てその力が欲しくなり、金で売って欲しいと持ちかけ激怒される。

その後も、魔術と反社会的秘術で名を馳せ続け、このシモンの教えを受けた人々がシモン派と呼ばれる一派を形成していた。

また、ローマのクラウディウス帝統治下(紀元前10年 – 54年)の時代には、ティベレ川に「聖なる神シモン」と刻んだ立像を建て、魔術や性愛の秘術や薬物を用いユダヤの律法を否定するなどグノーシス派の中でも最も反社会的であった事から、キリスト教父達からは憎悪の対象となった。

また、憎悪の対象となった理由はグノーシス派特有の善悪逆転の考え方がある。

グノーシス主義とは

各地に存在するグノーシス主義に共通する特徴が、世界に対する反抗と拒絶の考え方。

簡単に言うと、現在、我々が住んでいるこの世界は間違っており、この世界をつくった神様は偽物の神様である、という考え方。

そして、この世界に閉じ込められている自己を救済し、それによって、自己の魂が真の神のもとに回帰すると考えた。

「使徒行伝」の話に対して、シモンはペテロに、「私は新しい、これまで聞いたことのない事柄を宣教する」、だから「忌み嫌われる」と語ったと伝える文献もある。

そして、シモンにとって、間違った世界と神(偽)に対抗する、神(真)の力が魔術であった。

このようなグノーシス的救済を、キリスト教が唱える救済に対置してみせたのがシモンであったが、こんな考えが受け入れられるはずもなく、同時代に各地で勃興した、様々なグノーシス派の中でも最も憎むべき存在となった。

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