日本三大 ドヤ街 山谷の現在(2022)を散策してきた

日本三大 ドヤ街 のひとつが東京の山谷だ。かつて山谷とよばれた場所が現在どうなっているのか探索してきたので移住する際の参考(?)にでも

ドヤ街 山谷 の現在(2022)を散策してきた

前回、日本三大ドヤ街のひとつ横浜寿町の記事を書いたがでは他の山谷と西成の現在はどうなのかと気になり2022年6月30日に探訪して来たのでまとめようと思う。

日本三大ドヤ街,寿町の現在を歩く。

ドヤ街 山谷 へのアクセス

そもそも山谷とは、現在は地名としてはなく、現在の東京都台東区日本堤二丁目、清川二丁目を指す。

ここは奥州街道と日光街道があり江戸時代から木賃宿と呼ばれる簡易的な宿が集まり、現在も簡易宿泊所が密集し日雇い労働者が多く住む街である。

アクセス方法としては南千住駅から山谷のど真ん中にある玉姫稲荷神社を目指すようにして行くと気付いたら「あーなんか雰囲気違うぞ…」となること間違いなしである。

消えゆくドヤ街・山谷の散策

山谷の画像その1
南千住駅を出て浅草方面に歩くとすぐに山谷に行くことが出来る。
山谷の画像その2

目印は奥のピンク色のビルだ。そこから雰囲気が違ってくる。

山谷の画像その3
そしてピンク色のビルをさらに直進すると旧日光街道吉野通りになる。そのビルの隣にHOTEL HIKARIが見えてくる。清潔感もあって普通のビジネスホテルかなと思うが
山谷の画像その4
1泊2480円!安い!これは安宿をリニューアルしたと推測。西成もそうだがコロナ前は安く泊まれるということで外国人バックパッカーがよく集まってたそうで…インターネットも使えて月75900円、生活保護受給者なら月67500円!!この綺麗さならお得??
山谷の画像その5
シェアサイクルも置いてあり山谷の中だと比較的観光客向けである。本当に生活に困ったらここはどうでしょうか?
山谷の画像その6
そしてHOTELHIKARIの横の道を入ると街並みが大きく変わる。煉瓦調の建物に「白鶴松浦」おそらく居酒屋か酒屋だった建物だろう。この渋さに趣さえ感じた。
山谷の画像その7
この建物の横の道路も安宿が多く並んでいる。そしてどこのドヤ街もそうだが自転車が本当に多い。
山谷の画像その8
先に進んで行く。路上に置かれた自転車と時折通る老人の姿を見ると西成を思い出す。
山谷の画像その9
山谷にある宿泊所の相場は大体1泊2000円から5000円までと幅広い。やはり冷・暖房完備は当たり前なんだなと思いながら歩く。
山谷の画像その10
さらにHOTELHIKARIと白鶴の間の道を進む。山谷に来て驚いたのは真新しいマンションが建設されていることだ。
山谷の画像その11
ドヤ街の真ん中に真新しいマンションが建つ。こんな所でも需要があるんだな。
昔は日雇い労働者で溢れ、活気もあったのだろうが、今は老人と福祉施設の人が通るだけの福祉の街でしかないから全盛期に比べたらここも「住める街」になったんだなと思った。
山谷の画像その12
もう少し引きでみると安宿とマンションが混在して驚きである。
山谷の画像その13
ちなみに先程の写真左側の安宿は家賃45000円で入居できるそうだ。本当に生活に困った時はまさに住めば都だろう。
山谷の画像その14
喫茶店のような雰囲気の宿もあった。
山谷の画像その15
営業している宿も多いがシャッターを閉めて閉業している宿も多い。いつか閉業した宿もマンションにかわるのだろうか。
山谷の画像その16
また別な区画に来た。西成、寿町と見てきた筆者だが西成には及ばないものの都内には今でもこのようなところがあるのかと実感する。このまま玉姫稲荷神社に向かう。どうやらその途中にある玉姫公園がすごいらしい。
山谷の画像その17
道中見つけた栄養剤自販機。某三色旗を彷彿させる。正直ここで栄養剤で精をつけようにも都内屈指のソープ街吉原には距離があるぞ。
山谷の画像その18
そして玉姫稲荷神社に向かう途中の玉姫公園がすごいとのことできたのだが入口から柵が建てられており異様な景色が広がっている。
山谷の画像その19
さらに奥まで進む
山谷の画像その20
玉姫公園には安宿に入れないホームレスたちが集まっていた。西成でいう三角公園となっていた。もっと奥に進もうと思ったが公園全体がフェンスで囲まれ孤立しているのと生活を邪魔してはいけないと思い引き返した。
山谷の画像その21
そしてその玉姫公園の隣。玉姫稲荷神社に到着した。
山谷の画像その22
玉姫稲荷神社は奈良時代に京都の伏見稲荷大社より御分霊を勧請し創建された神社であり、新田義貞が戦勝を祈願し空海直筆の稲荷大神の像を瑠璃の玉塔に奉納したことが「玉秘め」の社号の由来となったとされている。ここだけ雰囲気が浮いている…
山谷の画像その23
玉姫神社を離れ旧日光街道吉野通り沿いに戻るその途中にキリスト教会があった。西成も寿町もキリスト教会があり、貧しいところには宗教が人々を救うために来るんだなと思った。
山谷の画像その24
通りに出てきたら日雇い労働者か土着民にしか相手をしなそうな居酒屋が出てきたが、その割には山谷はなぜか飲み屋が少ないと感じた。
山谷の画像その25
反対側には渋い看板のお店がある。
山谷の画像その26
そしてこの通り沿いを歩くととても大きい交番が出てくる。警視庁浅草警察署日本堤交番だ。
ドヤ街が活気のある時は普通の交番ではなく「山谷地区交番」という小規模な警察署と同じくらいの業務が可能な交番であり「マンモス交番」と呼ばれていたそうだ。今は時代の流れから普通の交番に変わっている。
山谷の画像その27
そして山谷地区交番横の道を入るとここにもキリスト教会がある。
山谷の画像その28
山谷地区交番側は宿屋らしき建物もあるがその中に一般住宅や商店が混在している。
山谷の画像その29
どこか寂しい雰囲気を感じた。
山谷の画像その30
日雇い労働者の街(ドヤ街)から福祉とバックパッカーの街へ。コロナ禍が終わったドヤ街。山谷はどうなるのか。
山谷の画像その31
歩いているうちに城北・労働福祉センターに到着した。
西成の西成労働福祉センター、寿町の健康福祉センターであり公式HPの紹介を抜粋すると「山谷地域に居住する日雇労働者の自立・生活安定に向け、職業紹介などの就労支援や、生活総合相談、応急援護などの福祉的な支援を行っています。」言わば山谷に住む人の相談窓口である。
山谷の画像その32
建物を見てると立て看板が…西成にもあったが山谷にもあるんだな。

もう日雇い労働者の街ではなく老人の街

山谷を歩いて思った事は寿町や西成と違って安宿街にマンションが建つなど日雇い労働者の街というイメージは段々薄れていくのではないのかと思った。

寿町は東京まで距離があるし西成はまだ活気があるからマンションを建てようにも需要がないように思えるが、山谷は南千住から日比谷線と常磐線でどこでも行けるというメリットがあるから閉業した安宿が近いうちマンションに変わるのだろうと思った。

そして山谷を歩くと見かけるのは地べたに座り込んでボケーとしているか酒を飲んでいるか介護士に車椅子を押して日光浴をしたりする老人か玉姫公園の何をしているかよく分からないホームレスしかいない。

もう日雇い労働者の街ではなく老人の街だった。老人の街からただのマンションが密集する街になる前にこの街を歩いてみるのはいかがだろうか?

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