鳥辺山墓地は元々平安京の三大葬送地、その中でも葬送地として最も大きかったのが、東山の鳥辺野であった。かつての京都では人が亡くなると遺体を野ざらしにしてあの世へ見送った。そのまま朽ちた遺体を鳥が啄んで処理する「鳥葬」も行われた。
鳥辺山墓地
鳥辺山墓地の画像と解説
兼好法師は『徒然草』の第七段で「鳥辺野、船岡、さらぬ野山にも、送る数多かる日はあれど、送らぬ日はなし」と綴っている。
「死者を葬送の地に多く送ることはあっても、送らない日はない」という意味で、鳥辺山では毎日葬儀の煙が立ち上っていたのである。
鳥辺という地名も、もともとは死者を木に吊るし、鳥葬していたことから付いたもの、という説がある。
鴨川を挟んで西側(京の都があった側)は人の住むこの世、東側(鳥辺山周辺)はあの世とされており、葬送の地にされていたのもそのためであろう。鳥辺山の中でも貴族や身分の高い者は山の上の墓地に埋められ、身分の低い者は山の下側に埋葬ないしは無縁仏扱いだったという。
あの世の入り口とされていたこともあってか、周辺はいわく付きの場所も多い。
現在は民家が並び姿形も見えない状態だが、人を食べる悪鬼が出たといわれる羅刹谷や、転ぶと3年以内に死ぬといわれる三年坂などがそうだ。
特に三年坂は、そうした噂の縁起の悪さから、産寧坂と地名を改めたともいわれている。
鳥辺山墓地はこんな人におすすめ
・ 京都の風葬地をめぐりたい
・ 京都のダークな歴史に触れたい
住所
住所:〒605-0846 京都府京都市東山区 五条坂東とりべ山
最寄駅
京阪電気鉄道京阪本線 清水五条駅