貴船神社は丑の刻参り発祥の地ともいわれる。その鬼気迫る様子は、江戸時代中期の画家・鳥山石燕が描いた『今昔画図続百鬼』に生々しく伝えられている。
貴船神社
歴史や伝説
貴船神社は縁結びの神としても、早くから知られている。
特に有名なのが、和泉式部を巡る話だ。式部は夫・藤原保昌に浮気相手ができたことに悩んでいた。そこで貴船神社に参詣して巫女に夫婦和合を依頼したところ、夫の愛情を取り戻すことができたという。
貴船神社にはまた、もう一つ別の顔がある。それが呪詛神としての側面だ。
能楽『鉄輪』は、次のような逸話を伝えている。ある女が浮気の止まない夫への恨みを晴らそうと、貴船の宮で丑の刻参りの願をかけた。
すると明神から託宣があり、火を灯した五徳(鉄輪)を頭にはめ、赤い装束に顔を朱塗りした鬼の姿で丑の刻参りを続けよという。これに従った女はやがて鬼となり、毎夜男を苦しめた。だが最後は安倍晴明によって退散させられ、女は息絶える。
下京区堺町通にある「鉄輪の井戸」は女が住んでいた場所の井戸、あるいは身投げをした井戸ともいわれており、鉄輪の女を哀れに思う人々によって建てられたとされる。
また、このような伝説から、井戸の水を相手に飲ませると縁切りができると言い伝えられているが、井戸はすでに枯れている。
貴船神社はこんな人におすすめ
・京都のダークな歴史に触れたい
・呪いや呪術に関係した場所に行きたい
・丑の刻参りに興味があるひと
・丑の刻参りと絵馬の発祥の地
・縁結びのご利益がほしい
アクセス
住所
住所:〒601-1112 京都府京都市左京区鞍馬貴船町180
最寄駅
京都バス33番「貴船」二の鳥居 徒歩4分
叡山電鉄鞍馬線「貴船口駅」徒歩30分
駐車場
駐車場は殆どなし。平日は混むので公共交通機関を使ったほうが便利