ロジャー・ベーコン,神秘学と近代科学を綜合した人物

ロジャー・ベーコンは驚異博士とよばれる神学者で、神秘学と科学を綜合し近代科学の発展に大きく寄与した人物である。

ロジャー・ベーコン,神秘学と近代科学を綜合した人物

ロジャー・ベーコン

ロジャー・ベーコン(1214年 – 1294年)

ロジャー・ベーコンとは何をした人物か?

・近代科学の先駆者として数々の発明を行う
・神学研究の改革を提唱
・修道会の教えに忠実であった事から上層部に疎まれ、晩年は幽閉される

経歴

イギリスのイルチェスターで裕福な家庭に生まれたが、ヘンリー3世の政治闘争に巻き込まれる資産没収のうえ追法される。

その後、オックスフォード大学に入学したベーコンは、キリスト教徒にとっては異教徒であるアリストテレスの著作を中心に、自然科学の勉強に熱中していた。
また、この大学は当時から自然科学の重要性を認め、ギリシアやアラビア科学を評価する数少ない大学の一つでもあった。

ベーコンは、誤謬のない真理を確信させる数学と、その真理をわれわれに見せる実験は、そのままキリスト教の啓示を合理的に理解する手段になると考えていた。
数学や経験を軽視する時代にあって、神学理解のためにそれらの重要性を強調した彼は、近代科学の先駆者として現代に知られることになったのである。

時代背景

この当時のヨーロッパは黙示録的雰囲気が強く蔓延り、やがて訪れる最終戦争の予感に脅えていた。

中世において、自然科学への関心はカトリックの正統を守ろうとする努力と結びついていたが、13世紀にヨーロッパで大きな発展を見せた錬金術は、実証的であれば教会の教えと完全に両立可能なものとして、おおいに推奨されていた。

これらで得られた成果は、反キリストとの戦いの際にキリスト教徒の強い味方になると考えられていたのだ。

そんな中で彼は、空飛ぶ機械や潜水機、爆薬などを発案。

ベーコンは、当時の最先端の科学である占星術や錬金術も学んでいたが、彼にとって天文学や錬金術の研究は聖書を実証し、黙示録に関する問題を解決するものであった。

錬金術師としては、パラケルスス以前に硫黄、水銀、塩の三分法を展開し、長寿のための万能薬についても言及していたが、これは真理を会得するためには、長寿であることが必要だと考えたからである。

また、触れるだけで猛毒を持つ動物を殺す魔法陣や永久に消えない灯火、鏡や双眼鏡の発明などから、魔術師とも呼ばれていた。

幽閉

彼の属するフランシスコ修道会の規模が大きくなった事で財産所有の問題が出てしまったことで、大きな問題が起きてしまう。

ベーコンは厳格に聖フランチェスコの掟を守ろうとする立場を主張したが、直情的で激しい批判の言葉を投げかけた事から上層部に疎まれるようになる。

そして、1277年にフランスへ連行され、理由がわからないままに投獄された。

執筆活動をする自由は与えられたというが、不遇の晩年であった。

しかし、彼の哲学的科学的伝統は、やがてエリザベス朝の魔術師ジョン・ディーに受け継がれていくことになる。

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