宴の松原は、現在ではただの住宅地だが、平安期には人食い鬼や妖怪の出る不気味な場所として知られていた。
宴の松原,人食い鬼の伝説が残る地
宴の松原とは
京都市上京区、東西の通りである出水通を西に入ったあたりに「宴松原」という小さな石柱が建っている。
ここは、平安京大内裏の西側に広がっていた土地だったらしく南北430m、東西250mほどの広さだったと言われている。
内裏の建て替え用地だったという説や、その名の通り宴のための場所だったという説があるが詳細は謎のままである。
今昔物語や日本三大実録には人喰い鬼の話も伝わる。なんでも、若い女性がこのあたりを歩いていたところ、男性が現れ、女性の手を引き、松林の中へ消えていった。
後日、知人らが松林の中へ女性と男を捜しに入ると、そこには血の海が広がり、女性のものと思われる手と足だけが落ちていたという。以降、この松林には人喰い鬼が出るという噂が広まった。
『大鏡』には、こんな話も残っている。
花山天皇に肝試しに行ってくるよう命じられた藤原道隆が、怪しげな声を聞いて思わず引き返したが、それが宴松原のあたりだったという話も残っている。
これ以外にも、宴松原の周辺では怪奇現象が相次ぎ、「出水通の七不思議」と呼ばれる話も残っている。
こんな人におすすめ
・ 京都の怖い伝説に興味がある
住所
住所:〒602-8359 京都府京都市上京区
最寄駅
京都市営地下鉄 二条駅
駐車場
なし